1 初めに,ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。 2 この方は,初めに神とともにおられた。 3 すべてのものは,この方によって造られた。造られたもので,この方によらずにできたものは一つもない。 4 この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。 5 光は闇の中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。
6 神から遣わされたヨハネという人が現われた。 7 この人はあかしのために来た。光についてあかしするためであり,すべての人が彼によって信じるためである。 8 彼は光ではなかった。ただ光についてあかしするために来たのである。
9 すべての人を照らす そのまことの光が世に来ようとしていた。 10 この方はもとから世におられ,世はこの方によって造られたのに,世はこの方を知らなかった。 11 この方はご自分のくにに来られたのに,ご自分の民は受け入れなかった。 12 しかし,この方を受け入れた人々,すなわち,その名を信じた人々には,神の子どもと される特権をお与えになった。 13 この人々は,血によってではなく,肉の欲求や人の意欲によってでもなく,ただ,神によって生まれたのである。
14 ことばは人となって,私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての 栄光である。この方は恵みと まことに満ちておられた。 15 ヨハネはこの方について証言し,叫んで言った。「『私のあとから来る方は,私にまさる方である。私より先におられたからである。』と私が言ったのは,この方のことです。」 16 私たちはみな,この方の満ち満ちた 豊かさの中から,恵みの上にさらに恵みを受けたのである。 17 というのは,律法はモーセによって与えられ,恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。 18 いまだ かつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が,神を説き明かされたのである。
19 ヨハネの証言は,こうである。ユダヤ人たちが祭司とレビ人をエルサレムからヨハネのもとに遣わして,「あなたはどなたですか。」と尋ねさせた。 20 彼は告白して否まず,「私はキリストではありません。」と言明した。 21 また,彼らは聞いた。「では,一体なんですか。あなたはエリヤですか。」彼は言った。「そうではありません。」「あなたはあの預言者ですか。」彼は答えた。「違います。」 22 そこで,彼らは言った。「あなたはだれですか。私たちを遣わした人々に返事をしたいのですが,あなたは自分をなんだと言われるのですか。」 23 彼は言った。「私は,預言者イザヤが言ったように『主の道をまっすぐにせよ。』と荒野で叫んでいる者の声です。」 24 彼らは,パリサイ人の中から遣わされたのであった。 25 彼らはまた尋ねていった。「キリストでもなく,エリヤでもなく,またあの預言者でもないなら,なぜ,あなたはバプテスマを授けているのですか。」 26 ヨハネは答えて言った。「私は水でバプテスマを授けているが,あなたがたの中に,あなたがたの知らない方が立っておられます。 27 その方は私のあとから来られる方で,私はその方のくつのひもを解く値うちもありません。」 28 この事があったのは,ヨルダンの向こう岸のベタニヤであって,ヨハネはそこでバプテスマを授けていた。
29 その翌日,ヨハネは自分のほうにイエスが来られるのを見て言った。「見よ,世の罪を取り除く神の小羊。 30 私が『私のあとから来る人がある。その方は私にまさる方である。私より先におられたからだ。』と言ったのは,この方のことです。 31 私もこの方を知りませんでした。しかし,この方がイスラエルに明らかにされるために,私は来て,水でバプテスマを授けているのです。」 32 またヨハネは証言していった。「御霊が鳩のように天から下って,この方の上にとどまられるのを私は見ました。 33 私もこの方を知りませんでした。しかし,水でバプテスマを授けさせるために私を遣わされた方が,私に言われました。『聖霊がある方の上に下って,その上にとどまられるのがあなたに見えたなら,その方こそ,聖霊によってバプテスマを授ける方である。』 34 私はそれを見たのです。それで,この方が神の子であると証言しているのです。」
35 その翌日,またヨハネは,ふたりの弟子とともに立っていたが, 36 イエスが歩いて行かれるのを見て,「見よ,神の小羊。」と言った。 37 ふたりの弟子は,彼がそう言うのを聞いて,イエスについて言った。 38 イエスは振り向いて,彼らがついて来るのを見て,言われた。「あなたがたは何を求めているのですか。」彼らは言った。「ラビ(訳して言えば,先生)。今どこにお泊まりですか。」 39 イエスは彼らに言われた。「来なさい。そうすればわかります。」そこで,彼らは ついていって,イエスの泊まっておられるところを知った。そして,その日 彼らはイエスといっしょにいた。時は十時ごろであった。 40 ヨハネから聞いて,イエスについていったふたりのうちのひとりは,シモン・ペテロの兄弟アンデレであった。 41 彼はまず自分の兄弟シモンを見つけて,「私たちはメシヤ(訳して言えば,キリスト)に会った。」と言った。 42 彼はシモンをイエスのもとに連れて来た。イエスはシモンに目を留めて言われた。「あなたはヨハネの子シモンです。あなたをケパ(訳すとペテロ)と呼ぶことにします。
43 その翌日,イエスはガリラヤに行こうとされた。そして,ピリポを見つけて「わたしに従ってきなさい。」と言われた。 44 ピリポは,ベツサイダの人で,アンデレやペテロと同じ町の出身であった。 45 彼はナタナエルを見つけていった。「私たちは,モーセが律法の中に書き,預言者たちも書いている方に会いました。ナザレの人で,ヨセフの子イエスです。」 46 ナタナエルは彼に言った。「ナザレから何の良いものが出るだろう。」ピリポは言った。「来て,そして,見なさい。」 47 イエスはナタナエルが自分のほうに来るのを見て,彼について言われた。「これこそ,ほんとうのイスラエル人だ。彼のうちには偽りがない。」 48 ナタナエルはイエスに言った。「どうして私をご存じなのですか。」イエスは言われた。「わたしは,ピリポがあなたを呼ぶ前に,あなたがいちじくの木の下にいるのを見たのです。」 49 ナタナエルは答えた。「先生。あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」 50 イエスは答えて言われた。「あなたがいちじくの木の下にいるのを見た,とわたしが言ったので,あなたは信じるのですか。あなたは,それよりもさらに大きなことを見ることになります。」 51 そして言われた。「まことに,まことに,あなたがたに告げます。天が開けて,神の御使いたちが人の子の上を上り下りするのを,あなたがたはいまに 見ます。」
1 それから三日目に,ガリラヤのカナで婚礼があって,そこにイエスの母がいた。2 イエスも,また弟子たちも,その婚礼に招かれた。3 ぶどう酒がなくなったとき,母がイエスに向かって「ぶどう酒がありません。」と言った。4 すると,イエスは母に言われた。「あなたはわたしと何の関係があるのでしょう。女の方。わたしの時はまだ来ていません。5 母は手伝いの人たちに言った。「あの方が言われることを,何でもしてあげてください。」6 さて,そこには,ユダヤ人のきよめのしきたりによって,それぞれ80リットルから120リットル入りの石の水がめが6つ置いてあった。7 イエスは彼らに言われた。「水がめに水を満たしなさい。」彼らは水がめを縁までいっぱいにした。8 イエスは彼らに言われた。「さあ,今くみなさい。そして宴会の世話役のところに持って行きなさい。」彼らは持って行った。9 宴会の世話役はぶどう酒になったその水を味わってみた。それがどこから来たのか,知らなかったので,──しかし,水をくんだ手伝いの者たちは知っていた。──彼は,花婿を呼んで,10 言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し,人々が十分飲んだころになると,悪いのを出すものだが,あなたは良いぶどう酒をよくも今まで取っておきました。」11 イエスはこのことを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行ない,ご自分の栄光を現わされた。それで,弟子たちはイエスを信じた。
12 その後,イエスは母や兄弟たちや弟子たちといっしょに,カペナウムに下って行き,長い日数では なかったが,そこに滞在された。
13 ユダヤ人の過越の祭りが近づき,イエスはエルサレムに上られた。14 そして,宮の中に,牛や羊や鳩を売る者たちと両替人たちがすわっているのをご覧になり,15 細なわでむちを作って,羊も牛もみな,宮から追い出し,両替人の金を散らし,その台を倒し,16 また,鳩を売る者に言われた。「それをここから持って行け。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」17 弟子たちは,「あなたの家を思う熱心がわたしを食い尽くす。」と書いてあるのを思い起こした。18 そこで,ユダヤ人たちが答えて言った。「あなたがこのようなことをするからには,どんなしるしを私たちに見せてくれるのですか。」19 イエスは彼らに答えて言われた。「この神殿をこわしてみなさい。わたしは,三日でそれを建てよう。」20 そこで,ユダヤ人たちは言った。「この神殿は建てるのに46年かかりました。あなたはそれを,3日で建てるのですか。」21 しかし,イエスはご自分のからだの神殿のことを言われたのである。22 それで,イエスが死人の中からよみがえられたとき,弟子たちは,イエスがこのように言われたことを思い起こして,聖書とイエスが言われたことばとを信じた。
23 イエスが,過越の祭りの祝いの間,エルサレムにおられたとき,多くの人々が,イエスの行われたしるしを見て,御名を信じた。24 しかし,イエスは,ご自身を彼らにお任せにならなかった。なぜなら,イエスはすべての人を知っておられたからであり,25 また,イエスはご自身で,人のうちにあるものを知っておられたので,人についてだれの証言も必要とされなかったからである。
1 さて,パリサイ人の中にニコデモという人がいた。ユダヤ人の指導者であった。2 この人が,夜,イエスのもとに来て言った。「先生。私たちは,あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神がともにおられるのでなければ,あなたがなさるこのようなしるしは,だれも行うことができません。」3 イエスは答えて言われた。「まことに,まことに,あなたに告げます。人は,新しく生まれなければ,神の国を見ることはできません。」4 ニコデモは言った。「人は,老年になっていて,どのようにして生まれることができるのですか。もう1度,母の胎に入って生まれることができましょうか。」5 イエスは答えられた。「まことに,まことに,あなたに告げます。人は,水と御霊によって生まれなければ,神の国にはいることができません。6 肉によって生まれた者は肉です。御霊によって生まれた者は霊です。7 あなたがたは新しく生まれなければならない,とわたしが言ったことを不思議に思ってはなりません。8 風はその思いのままに吹き,あなたはその音を聞くが,それがどこから来てどこへ行くかを知らない。御霊によって生まれる者もみな,そのとおりです。」9 ニコデモは答えて言った。「どうして,そのようなことがありえるのでしょう。」10 イエスは答えて言われた。「あなたはイスラエルの教師でありながら,こういうことがわからないのですか。11 まことに,まことに,あなたに告げます。私たちは,知っていることを話し,見たことをあかししているのに,あなたがたは,私たちのあかしを受け入れません。12 あなたがたは,わたしが地上のことを話したとき,信じないくらいなら,天上のことを話したとて,どうして信じるでしょう。13 だれも天に上った者はいません。しかし天から下った者はいます。すなわち人の子です。14 モーセが荒野で蛇を上げたように,人の子もまた上げられなければなりません。15 それは,信じる者がみな,人の子にあって永遠のいのちを持つためです。」
16 神は,実に,そのひとり子をお与えになったほどに,世を愛された。それは御子を信じる者が,ひとりとして滅びることなく,永遠のいのちを持つためである。17 神が御子を世に遣わされたのは,世をさばくためではなく,御子によって世が救われるためである。18 御子を信じる者はさばかれない。信じない者は神のひとり子の御名を信じなかったので,すでにさばかれている。19 そのさばきというのは,こうである。光が世に来ているのに,人々は光よりもやみを愛した。その行いが悪かったからである。20 悪いことをする者は光を憎み,その行いが明るみに出されることを恐れて,光のほうに来ない。21 しかし,真理を行う者は,光のほうに来る。その行いが神にあってなされたことが明らかにされるためである。
22 その後,イエスは弟子たちと,ユダヤの地に行き,彼らとともにそこに滞在して,バプテスマを授けておられた。23 一方ヨハネもサリムに近いアイノンでバプテスマを授けていた。そこには水が多かったからである。人々は次々にやって来て,バプテスマを受けていた。24 ──ヨハネは,まだ投獄されていなかったからである。──25 それで,ヨハネの弟子たちが,あるユダヤときよめについて論議した。26 彼らはヨハネのところに来て言った。「先生。見てください。ヨルダンの向こう岸であなたといっしょにいて,あなたが証言なさったあの方が,バプテスマを授けておられます。そして,みなあの方のほうへ行きます。」27 ヨハネは答えて言った。「人は,天から与えられるのでなければ,何も受けることはできません。28 あなたがたこそ,「私はキリストではなく,その前に遣わされた者であると。」と私が言ったことの証人です。29 花婿を迎える者は花嫁です。そこにいて,花婿の言葉に耳を傾けているその友人は,花婿の声を聞いて大いに喜びます。それで,私もその喜びで満たされているのです。30 あの方は盛んになり私は衰えなければなりません。」
31 上から来るお方は,すべての者の上におられ,地から出る者は地に属し,地の言葉を話す。天から来る者は,すべてのものの上におられる。32 この方は見たこと,また聞いたことをあかしされるが,だれもそのあかしを受け入れない。33 そのあかしを受け入れたものは,神は真実であるということに確認の印を押したのである。34 神がお遣わしになった方は,神の言葉を話される。神が御霊を無限に与えられるからである。35 父は御子を愛しておられ,万物を御子の手にお渡しになった。36 御子を信じるものは永遠のいのちを持つが,御子に聞き従わないものは,いのちを見ることがなく,神の怒りがその上にとどまる。
1 イエスがヨハネよりも弟子を多くつくって,バプテスマを授けていることがパリサイ人の耳にはいった。それを主が知られたとき,2 ──イエスご自身はバプテスマを授けておられたのではなく,弟子たちであったが,3 主はユダヤを去って,またガリラヤへ行かれた。4 しかし,サマリヤを通っていかなければならなかった。5 それで主は,ヤコブがその子ヨセフに与えた地所に近いスカルというサマリヤの町に来られた。6 そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅の疲れで,井戸のかたわらに腰をおろしておられた。時は 6 時ごろであった。7 ひとりのサマリヤの女が水をくみに来た。イエスは「私に水を飲ませてください。」と言われた。8 弟子たちは食物を買いに,町へ出かけていた。9 そこで,そのサマリヤの女は言った。「あなたはユダヤ人なのに,どうしてサマリヤの女の私に,飲み水をお求めになるのですか。」──ユダヤ人はサマリヤ人とつきあいをしなかったからである。──10 イエスは答えて言われた。「もしあなたが神の賜物を知り,また,あなたに水を飲ませてくれと言う者がだれであるかを知っていたなら,あなたのほうでその人に求めたことでしょう。そしてその人はあなたに生ける水を与えたことでしょう。」11 彼女は言った。「先生,あなたはくむ物を持っておいでにならず,この井戸は深いのです。その生ける水をどこから手にお入れになるのですか。12 あなたは,私たちの先祖ヤコブよりも偉いのでしょうか。ヤコブは私たちにこの井戸を与え,彼自身も,彼の子たちも家畜も,この井戸から飲んだのです。」13 イエスは答えて言われた。「この水を飲む物はだれでも,また渇きます。14 しかし,私が与える水を飲む者はだれでも,決して渇くことがありません。私が与える水は,その人のうちで泉となり,永遠のいのちへの水がわき出ます。」15 女はイエスに言った。「先生。私が渇くことがなく,もうここまでくみに来なくてもよいように,その水を私にください。」16 イエスは彼女に言われた。「行って,あなたの夫をここに呼んで来なさい。」17 女は答えて言った。「私には夫はありません。」イエスは言われた。「私には夫がないと言うのは,もっともです。18 あなたには夫が 5 人あったが,今あなたといっしょにいるのは,あなたの夫ではないからです。あなたが言ったことはほんとうです。」19 女は言った。「先生。あなたは預言者だと思います。20 私たちの先祖は,この山で礼拝しましたが,あなたがたは,礼拝すべき場所はエルサレムだと言われます。」21 イエスは彼女に言われた。「私の言うことを信じなさい。あなたがたが父を礼拝するのは,この山でもなく,エルサレムでもない。そういう時が来ます。22 救いはユダヤ人から出るのですから,私たちは知って礼拝していますが,あなたがたは知らないで礼拝しています。23 しかし,真の礼拝者たちが霊とまことによって父を礼拝するときが来ます。今がその時です。父はこのような人々を礼拝者として求めておられるからです。24 神は霊ですから,神を礼拝する者は,霊とまことによって礼拝しなければなりません。」25 女はイエスに言った。「私は,キリストと呼ばれるメシヤが来られることを知っています。その方が来られるときには,いっさいのことを私たちに知らせてくださるでしょう。」26 イエスは言われた。「あなたと話しているこのわたしがそれです。」
27 このとき,弟子たちが帰ってきて,,イエスが女の人と話しておられるのを不思議に思った。しかし,だれも,「何を求めておられるのですか。」とも,「なぜ彼女と話しておられるのですか。」とも言わなかった。28 女は,自分の水がめを置いて町へ行き,人々に言った。29 「来て,見てください。私のしたこと全部を私に言った人がいるのです。この方がキリストなのでしょうか。」30 そこで,彼らは町を出て,イエスのほうへやって来た。31 そのころ,弟子たちはイエスに,「先生。召し上がってください。」とお願いした。32 しかし,イエスは彼らに言われた。「わたしには,あなたがたの知らない食物があります。」33 そこで,弟子たちは互いに言った。「だれか食べる物を持って来たのだろうか。」34 イエスは彼らに言われた。「わたしを遣わした方のみこころを行い,そのみわざを成し遂げることが,わたしの食物です。35 あなたがたは,「刈り入れ時が来るまでに,まだ 4 ヶ月ある。」と言ってはいませんか。さあ,わたしの言うことを聞きなさい。目を上げて畑を見なさい。色づいて,刈り入れるばかりになっています。36 すでに,刈る者は報酬を受け,永遠のいのちに入れられる実を集めています。それは蒔く者と刈る者がともに喜ぶためです。37 こういうわけで,「ひとりが種を蒔き,ほかの者が刈り取る。」という ことわざは,ほんとうなのです。38 わたしは,あなたがたに自分で苦労しなかったものを刈り取らせるために,あなた方を遣わしました。ほかの人々が労苦して,あなたがたはその労苦の実を得ているのです。」
39 さて,その町のサマリヤ人のうち多くの者が,「あの方は,私がしたこと全部を私に言った。」と証言したその女のことばによってイエスを信じた。40 そこで,サマリヤ人たちはイエスのところに来たとき,自分たちのところに滞在してくださるように願った。そこでイエスは 2 日間そこに滞在された。41 そして,さらに多くの人々が,イエスのことばによって信じた。42 そして彼らはその女に言った。「もう私たちは,あなたが話したことによって信じているのではありません。自分で聞いて,この方がほんとうに世の救い主だと知っているのです。」
43 さて, 2 日の後,イエスはここを去って,ガリラヤへ行かれた。44 イエスご自身が,「預言者は自分の故郷では尊ばれない。」と証言しておられたからである。45 そう言うわけで,イエスがガリラヤに行かれたとき,ガリラヤ人はイエスを歓迎した。彼らも祭りに行っていたので,イエスが祭りの間にエルサレムでなさったすべてのことを見て いたからである。
46 イエスは再びガリラヤのカナに行かれた。そこは,かつて水をぶどう酒にされたところである。さて,カペナウムに病気の息子がいる王室の役人がいた。47 この人は,イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞いて,イエスのところへ行き,下って来て息子をいやしてくださるように願った。息子が死にかかっていたからである。48 そこで,イエスは彼に言われた。「あなたがたは,しるしと不思議を見ない限り,決して信じない。」49 その王室の役人はイエスに言った。「主よ。どうか私の子どもが死なないうちに下って来てください。」50 イエスは彼に言われた。「帰って行きなさい。あなたの息子は直っています。」その人はイエスが言われたことばを信じて,帰途についた。51 彼が下っていく途中,そのしもべたちが彼に出会って,彼の息子が直ったことを告げた。52 そこで子どもが良くなった時刻を彼らに尋ねると,「きのう,7 時に熱がひきました。」と言った。53 それで父親は,イエスが「あなたの息子は直っている。」と言われた時刻と同じであることを知った。そして彼自身と彼の家のものがみな信じた。54 イエスはユダヤを去ってガリラヤに入られてから,またこのことを第 2 のしるしとして行われたのである。
1 その後,ユダヤ人の祭りがあって,イエスはエルサレムに上られた。2 さて,エルサレムには,羊の門の近くに,ヘブル語でベテスダと呼ばれる池があって,5 つの回廊がついていた。3 その中に大勢の病人,盲人,足なえ,やせ衰えた者が伏せっていた。5 そこに,38 年もの間,病気にかかっている人がいた。6 イエスは彼が伏せっているのを見,それがもう長い間のことなのを知って,彼に言われた。「よくなりたいか。」7 病人は答えた。「主よ。私には,水がかき回されたとき,池の中に私を入れてくれる人がいません。行きかけると,もう他の人が先に降りていくのです。」8 イエスは彼に言われた。「起きて,床を取り上げて歩きなさい。」9 すると,その人はすぐに直って,床を取り上げて歩き出した。ところが,その日は安息日であった。10 そこでユダヤ人たちは,そのいやされた人に言った。「きょうは安息日だ。床を取り上げてはいけない。」11 しかし,その人は彼らに答えた。「私をなおしてくださった方が,『床を取り上げて歩け。』と言われたのです。」12 彼らは尋ねた。「『取り上げて歩け。』と言った人はだれだ。」13 しかし,いやされた人は,それがだれであるか知らなかった。人がおおぜいそこにいる間に,イエスは立ち去られたからである。14 その後,イエスは宮の中で彼を見つけて言われた。「見なさい。あなたはよくなった。もう罪を犯してはなりません。そうでないともっと悪いことがあなたの身に起こるから。」15 その人は行って,ユダヤ人たちに,自分を直してくれた方はイエスだと告げた。16 このためユダヤ人たちは,イエスを迫害した。イエスが安息日にこのようなことをしておられたからである。17 イエスは彼らに答えられた。「わたしの父は今に至るまで働いておられます。ですからわたしも働いているのです。」18 このためユダヤ人たちは,ますますイエスを殺そうとするようになった。イエスが安息日を破っておられただけでなく,ご自身を神と等しくして,神を自分の父と呼んでおられたからである。
19 そこで,イエスは彼らに答えて言われた。「まことに,まことに,あなたがたに告げます。子は,父がしておられることを見て行う以外には,自分からは何事も行うことができません。父がなさることは何でも,子も同様に行うのです。20 それは,父が子を愛して,ご自分のなさることをみな,子にお示しになるからです。また,これよりもさらに大きなわざを子に示されます。それは,あなたがたが驚き怪しむためです。21 父が死人を生かし,いのちをお与えになるように,子もまた,与えたいと思うものにいのちを与えます。22 また,父はだれをもさばかず,すべてのさばきを子にゆだねられました。23 それはすべての者が、父を敬うように 子を敬わない者は,子を遣わした父をも敬いません。24 まことに,まことに,あなたがたに告げます。わたしのことばを聞いて,わたしを遣わした方を信じる者は,永遠のいのちを持ち,さばきに会うことがなく,死からいのちに移っているのです。25 まことに,まことに,あなたがたに告げます。死人が神の子の声を聞く時が来ます。今がその時です。そして,聞く者は生きるのです。26 それは,父がご自分のうちにいのちを持っておられるように,子にも,自分のうちにいのちを持つようにしてくださったからです。27 また,父はさばきを行う権を子に与えられました。子は人の子だからです。28 このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな,子の声を聞いて出て来る時が来ます。29 善を行った者は,よみがえっていのちを受け,悪を行った者は,よみがえってさばきを受けるのです。
30 わたしは,自分からは何事も行うことができません。ただ聞くとおりにさばくのです。そして,わたしのさばきは正しいのです。わたし自身の望むことを求めず,わたしを遣わした方のみこころを求めるからです。31 もしわたしだけが自分のことを証言するのなら,わたしの証言は真実ではありません。32 わたしについて証言する方がほかにあるのです。その方のわたしについて証言される証言が真実であることは,わたしが知っています。33 あなたがたは,ヨハネのところに人をやりましたが,彼は真理について証言しました。34 といっても,わたしは人の証言を受けるのではありません。わたしは,あなた方が救われるために,そのことを言うのです。35 彼らは燃えて輝く ともしびであり,あなたがたはしばらくの間,その光の中で楽しむことを願ったのです。36 しかし,わたしにはヨハネの証言よりもすぐれた証言があります。父がわたしに成し遂げさせようとしてお与えになったわざ,すなわちわたしが行っているわざそのものが,わたしについて,父がわたしを遣わしたことを証言しているのです。37 また,わたしを遣わした父ご自身がわたしについて証言しておられます。あなたがたは,まだ 1 度もその御声を聞いたこともなく,御姿を見たこともありません。38 また,そのみことばをあなたがたのうちにとどめてもいません。父が遣